
会社設立時に必要な「定款(ていかん)」の認証には、通常4万円の印紙代がかかります。しかし、適切な手続きを踏めば、この4万円を節約することが可能です。本記事では、行政書士の視点から、定款の印紙代を節約する具体的な方法と、その特典について詳しく解説します。
1. 印紙代4万円が必要なケース
定款は、会社の基本的なルールを定めた重要な書類であり、株式会社や合同会社を設立する際に作成が求められます。株式会社を設立する場合、公証役場での「定款認証」が必須であり、その際に紙の定款を提出すると、4万円の印紙税が発生します。
これは、「印紙税法別表第一の第二十三号文書」に該当するためです。紙に印刷した定款は「課税文書」とみなされ、印紙を貼らなければなりません。
しかし、電子定款を利用すればこの印紙税を回避できます。
2. 電子定款で印紙税をゼロにする方法
電子定款とは、紙ではなくPDFなどの電子データで作成され、電子署名が施された定款のことです。電子定款にすると、印紙税の課税対象にならないため、4万円の節約が可能になります。
2-1. 電子定款作成の手順
電子定款を利用するためには、以下のステップを踏みます。
・定款の作成
通常の定款と同じ内容をWordなどで作成します。
- PDF化
- 作成した定款をPDF形式に変換します。
- 電子署名を付与
- 電子定款には、作成者(発起人)の電子署名が必要です。
- これには「ICカードリーダー」と「マイナンバーカード」または「商業登記電子証明書」が必要になります。
- 公証役場へオンライン申請
- 「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用し、公証人に電子定款を送信します。
- 事前に公証役場へ予約をし、必要な情報を提供します。
- 公証役場での認証
- 公証人が電子定款を確認し、認証が完了すれば電子定款の取得が可能です。
- その後、会社設立手続きを進めます。
この手続きにより、印紙代4万円を節約できます。
3. 電子定款を利用するメリット
電子定款を活用することで、単に印紙税を節約できるだけでなく、以下のようなメリットも得られます。
3-1. コスト削減
- 4万円の節約に加え、郵送費や印刷費などのコストも削減できます。
3-2. 手続きのスピードアップ
- 電子定款を利用すれば、公証役場での手続きがスムーズになり、短時間で認証が完了します。
3-3. 紙の保管が不要
- 電子データで管理できるため、物理的な保管場所が不要です。
3-4. 修正が容易
- 紙の定款の場合、誤字脱字があった際に再印刷や修正が必要ですが、電子定款なら修正が容易です。
4. 行政書士に依頼するメリット
電子定款の作成には電子署名や専門的な手続きが必要なため、自分で準備するのはハードルが高いと感じるかもしれません。そこで、行政書士に依頼するのも一つの方法です。
行政書士に依頼すると、
- 電子定款の作成・認証手続きを代行
- 必要な電子署名の準備やオンライン申請をサポート
- 会社設立に関する他の手続き(登記申請書の作成など)もまとめて依頼可能
といったメリットがあります。費用は3万円〜5万円程度かかる場合がありますが、自分で電子署名の準備をする手間を考えると、結果的に手続きがスムーズになります。
5. まとめ
会社設立時の定款の印紙税4万円を節約するためには、電子定款を利用するのがベストな方法です。電子定款にはコスト削減だけでなく、手続きの迅速化や保管の容易さといったメリットもあります。
電子定款の作成には電子署名などの準備が必要ですが、行政書士に依頼すればスムーズに手続きを進められます。会社設立を検討している方は、ぜひ電子定款を活用し、コストを削減しながら効率的に手続きを進めてください。
行政書士として、会社設立に関するご相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください!
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