「位置指定道路」とは?分かりやすく徹底解説!

土地を購入したり建築計画を立てたりする際に、「位置指定道路」という言葉を目にしたことはありませんか?
一見、専門的で難しそうに感じるかもしれませんが、実は私たちの生活にも深く関わっている重要な制度なんです。

この記事では、「位置指定道路」とは何か、どんな特徴があるのか、メリット・デメリット、注意点などを分かりやすく解説します。


◆ そもそも「道路」とは?建築基準法上の定義

まず大前提として、建物を建てるためには「道路」に接している必要があります。
これは「接道義務」と呼ばれ、建築基準法第43条により定められています。

この“道路”とは、私たちが普段使っている道路(国道や市道など)だけでなく、建築基準法で認められた特定の道を指します。これらの道路には種類があり、その一つが「位置指定道路」です。


◆ 「位置指定道路」とは?

「位置指定道路」とは、建築基準法第42条1項5号に基づき、市町村や都道府県などの行政が「この場所に道路があるとみなします」と指定した私道のことです。

つまり、公道ではなく私道ですが、法律上は「道路」として扱われ、建築基準法における「接道義務」を満たすために使うことができます。


◆ なぜ位置指定道路が必要?

市街地の開発が進む中で、袋小路や細い道しかない土地にも建物を建てたいというニーズがあります。
しかし、そうした場所は公道に面していないことも多く、そのままでは建物を建てることができません。

そこで、特定の基準を満たした私道を「位置指定道路」として認め、建築が可能になるようにする制度が生まれたのです。


◆ 位置指定道路の要件(基準)

位置指定道路として認められるには、次のような基準をクリアする必要があります。

  • 幅員が原則4メートル以上(一部、2項道路との関係で例外あり)
  • 延長や接道する敷地の数などに応じて適切な設計がされていること
  • 排水設備の設置や舗装、通行の安全性が確保されていること
  • 行政(市町村など)に申請し、許可を得ること

これらの要件を満たしたうえで、「位置指定申請」を行い、許可されると「位置指定道路」として扱われるようになります。


◆ メリットとデメリット

メリット

  • ✅ 公道に接していなくても建築可能になる
  • ✅ 分譲開発がしやすくなる(敷地の奥にも建物が建てられる)
  • ✅ 地域の土地活用が進む

デメリット・注意点

  • ⚠️ 維持管理は基本的に私道所有者の負担
  • ⚠️ 通行トラブルが起きやすい(誰が通ってよいか不明瞭な場合も)
  • ⚠️ 修繕費や排水トラブルの責任範囲が曖昧になることも

位置指定道路は、行政から「道路として使ってよい」とお墨付きをもらっていますが、あくまで私道であるため、管理責任や将来的なトラブルの可能性については十分に注意する必要があります


◆ 調べ方・確認方法

位置指定道路かどうかを調べたい場合は、市町村の建築指導課や都市計画課などで確認できます。
多くの自治体では、「道路台帳」や「位置指定図」などの資料を閲覧することができます。

また、不動産売買の場面では、売主や仲介業者が「この道路は位置指定です」と説明することがありますが、必ず行政に確認することが重要です。


◆ まとめ

  • 位置指定道路とは、私道でありながら建築基準法上の「道路」として認められた道
  • 建物を建てるための「接道義務」を満たすために重要な役割を果たす
  • 利用するには行政の許可と、一定の整備基準をクリアする必要がある
  • メリットも多いが、私道ゆえの管理やトラブルの注意点もある

住宅や建物の建築、土地売買において「位置指定道路」は非常に重要なキーワードです。
不安がある場合は、専門家(行政書士、建築士、不動産業者など)に相談するのが安心です。

当事務所でも位置指定道路について相談可能です。お気軽にご相談ください。