
相続において親族間で揉めることは珍しくありません。財産の分け方や遺言の内容などでトラブルが発生し、最悪の場合、親族関係が破綻してしまうこともあります。本記事では、相続でもめる典型的なパターンと、それを防ぐために行政書士ができる支援について解説します。
相続でもめる典型的なパターン
1. 遺言書がない、または不備がある
遺言書がない場合、法定相続分に従って分割されますが、相続人の意向と異なることがあり、揉める原因になります。また、遺言書があっても形式不備があると無効になり、相続争いの火種になることがあります。
2. 財産の分け方に不公平感がある
たとえば、特定の相続人だけが多くの財産をもらう遺言があると、他の相続人が不満を持つ可能性があります。特に、長男だけが家を相続する場合や、生前に親から多くの資産を受け取っていた子供がいると問題が起こりやすくなります。
3. 生前贈与や特別受益の有無
親が生前に特定の子供に資産を贈与していた場合、それが「特別受益」と見なされ、遺産分割の際に他の相続人との間でトラブルになることがあります。「兄は親から事業資金をもらっていたのに、自分は何ももらっていない」といった不公平感が対立の原因となります。
4. 介護や親の世話をした貢献度の違い
親の介護をした相続人が「自分は親の面倒を見ていたのに、他の兄弟と同じ割合で遺産を分けるのは納得できない」と主張し、揉めるケースがあります。これは「寄与分」と呼ばれ、認められるためには証拠が必要です。
5. 相続人同士の関係が悪い
もともと兄弟姉妹の仲が悪い場合、相続を機に感情的な対立が激化し、遺産分割の話し合いがスムーズに進まなくなることがあります。
6. 不動産の扱い
不動産は分割しにくいため、相続でもめる原因になりがちです。相続人の一人が住み続けたい場合や、売却するかどうかで意見が分かれることが多くあります。
7. 借金の存在
相続財産に借金が含まれている場合、相続放棄するかどうかで意見が分かれることがあります。また、借金の存在を知らずに相続を承認してしまうケースもあり、後でトラブルになることがあります。
行政書士ができる相続トラブル回避の支援
1. 正式な遺言書の作成支援
行政書士は公正証書遺言の作成をサポートし、法的に有効な遺言を残す手助けをします。適切な内容をアドバイスし、遺言の不備を防ぐことで、後の争いを未然に防ぎます。
2. 遺産分割協議書の作成
相続人同士で合意した内容を明文化する遺産分割協議書を作成することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
3. 相続財産の調査
不動産や預貯金の調査を行い、相続財産の全容を明らかにすることで、隠し財産があるという疑念を払拭し、相続人同士の不信感を防ぎます。
4. 相続人関係の整理
戸籍の収集や法定相続人の確定を行い、誰が相続人なのかを明確にすることで、後から「自分も相続人だ」と名乗り出る人物が現れるのを防ぎます。
5. 争いが起きる前の相談対応
行政書士は相続に関する事前相談を受け付け、相続人がどのように準備すればよいかをアドバイスします。特に、高齢の親がいる場合は、早めの準備が重要です。
6. 生前贈与のアドバイス
生前贈与を適切に行うことで、相続時のトラブルを軽減できます。贈与税の負担を考慮しながら、どのように分配すれば公平かをアドバイスします。
7. 成年後見制度の利用支援
認知症などで判断能力が低下した場合に備え、成年後見制度の利用をサポートします。これにより、本人の意思に沿った相続ができるようになります。
まとめ
相続では、遺言の不備や財産分配の不公平感、相続人同士の関係性などが原因で揉めることがよくあります。行政書士は、遺言書の作成支援や遺産分割協議書の作成、相続財産の調査などを通じて、相続トラブルを未然に防ぐサポートを提供できます。スムーズな相続を実現するためにも、早めの準備と専門家への相談をおすすめします。当事務所も支援可能ですので、気軽に相談してみてください!
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